A word of JHPA president

 「イトウの会」のホームページへようこそ。「イトウの会」は、市立稚内病院の釣り仲間から自然に発生した釣り師の集団であり、あまり難しい会ではありません。宗谷を主なフィールドとして、イトウなどの野生魚に出会うことに無上の喜びを感じてきました。釣りのために原生の森や湿原を歩き、川を見守りつづけてきました。今宗谷のイトウを守ることができるのは地元の釣り人であるわれわれであると考えています。なぜなら、われわれは宗谷のイトウが置かれている状況をいちばんよく知っていると自負しているからです。われわれはイトウを釣りながら、その数も大きさも場所もきちんと記録し、その数値を過去と比較することができます。われわれにとってイトウの棲む川は、遠征する川ではなく、家の裏に昔から流れている川なのです。

 イトウを守るには釣り人の協力がどうしても必要です。環境省から絶滅危惧種に指定されている貴重な魚です。いまさら記念に、あるいは食料にするため持ち帰る釣り人はごくわずかだと思います。イトウはキャッチ・アンド・リリースが大原則です。釣り人がイトウを減らしてしまったら釣れなくなる。自分で自分の首を絞めることになります。まずこれらを厳格に守らなければならない。

 さらにイトウの棲む環境をおびやかすさまざまな障害、すなわち川沿いの森林伐採、不要不急の河川工事や道路工事、牧場汚水の流入、湿原の乾燥化、外来魚の不法放流などを監視し、問題を指摘することができるのは釣り人です。「イトウの会」の背後には写真家やメディア関係者や研究者もいます。われわれは情報を提供することにより、イトウがいつまでも宗谷に生息し、世代交代し、釣りができる魚でありつづけるように努めます。



                       2004年4月1日
                       「イトウの会」会長